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公正証書遺言のススメ
こんにちは!
大阪市都島区に事務所を構える、相続と国際税務に強い村田綜合税務会計事務所です。
今回はお客様から問い合わせを受けることの多い、公正証書遺言についてご紹介致します。
1. 公正証書遺言とは?
公正証書遺言とは、遺言者が公証人へ口頭で遺言の内容を伝え、公証人が遺言者に代わって作成する遺言をいいます。
「公証人」という法律の専門家が作成に関与するため、執筆内容や遺言能力の確認・保管面などの点で確実性の高い遺言書です。
2. 公正証書遺言のメリット
・相続手続きをする際に、家庭裁判所の検認(相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに,遺言書の形状,加除訂正の状態,日付,署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして,遺言書の偽造・変造を防止するための手続のこと)は不要となります
・遺言書の原本は公証人が管理しますので、遺言書を誰かに隠されたりする心配がありません
・公証人が作成することから、自筆証書遺言や秘密証書遺言に比べ、記載内容の不備などで効力が無効になる可能性が低くなります
・遺言者と公証人のほか、相続に関して利害関係のない証人2名しか遺言内容を知ることができないため、相続人に対して遺言内容を秘密にすることが出来ます
3. 公正証書遺言の作り方
公正証書遺言を作成するまでは、一般的に以下の流れとなります。
①遺言者が遺言内容の原案を作成する
②遺言者が公証役場に連絡して、①で作成した原案を伝え、公証人と内容を確認・検討する。万が一、遺言者が喋ることが難しい場合、手話や筆談によって対応することも可能だが、反対に認知症などで意思能力が著しく低下している場合、本人の意志であるかわからないため、遺言書を作成することが難しい場合がある
③公証人から指定された必要書類を用意して、公証役場へ届ける
④遺言作成時に立ち会う証人2名を決める。ただし、未成年者、遺言者の推定相続人と受遺者(遺贈を受ける人)、配偶者と直系親族、公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び雇い人は証人となることができないため、注意が必要
⑤遺言者、証人2名、公証人で公証役場に行く日程調整(平日のみ)の上、公証役場に赴く
⑥遺言内容を確認して間違いがなければ、遺言者、公証人、証人2名が署名・押印をする
⑦公正証書遺言の正本が遺言者に渡され、公証人への手数料を現金で支払う
また、遺言者が自ら公証役場へ出向いて遺言書を作成してもらいますが、例えば、病気など公証役場へ出向くことが難しい場合は、公証人が自宅や病院に来てもらうよう依頼することも可能です(ただし別途、出張費用や日当をお支払いする必要があります)。
4. 公正証書遺言の注意点
①遺留分は公正証書遺言に優先される
遺留分とは、「兄弟姉妹以外の法定相続人について、最低限の取り分を確保する制度」のことです。
以下のように、各相続人には最低限受け取れる割合が定められており、もし遺留分を無視した相続がおこなわれた場合には、侵害された分を請求できます。
遺留分を侵害するような遺言内容の場合、遺言書自体が無効になることはありませんが、遺留分の侵害部分については金銭の支払いを請求できます。
結果として遺留分が優先されるため、遺言者の立場としては、遺留分のことも配慮したうえで作成することが重要です。
②財産内容の変更に注意する必要がある
例えば銀行預金を公正証書遺言に記載をする場合、該当の銀行が合併等により遺言者の死亡時点で存在しない場合や、公正証書遺言作成~遺言者の死亡時までの間に不動産などの新たな財産を取得したような場合は、該当の財産が公正証書遺言に記載されていないため、遺贈(遺言により相続させることをいいます)が出来なくなります。
そのため、作成した公正証書遺言で、現在の遺言者の財産内容をカバー出来ているかどうか、定期的に確認をする必要があります。
③作成費用がかかる
公正証書遺言を作成する際は、公証役場が定める手数料などが発生します。特に、相続人や相続財産が多い場合などは高額になりやすいでしょう。
④2名以上の承認が必要
公正証書遺言を作成するには、2名以上の証人を確保しなければなりません。証人が見つからない場合は、公証役場で紹介が受けられますが、その際は日当を支払う必要があります。
今回は遺言書の中でも公正証書遺言の紹介をさせて頂きました。村田綜合会計事務所では、公正証書遺言による遺言書を作成されたい方のご相談やサポートも随時行っております。是非、お問い合わせフォームからお問い合わせ下さい。